2月 9, 2010 0

[interview] CINEMA dub MONKS と「永遠と一日」〜物語をめぐる旅〜 [4]

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【旅、あるいは異なる都市を移動すること】

曽我大穂とガンジー西垣、性格の全く違う二人に共通していることは、小さい頃、さまざまな町に移り住んだということ。そんなホームタウンのない二人が沖縄で出会って奇跡のように生まれた CINEMA dub MONKS の音には、どこか特定の国や場所というよりも、旅や移動を感じさせる匂いが立ち昇る。それは、バルセロナやリスボン、ベルリンなど、ヨーロッパの都市で暮らして、ライブをしてきた彼らの実績だけが理由ではなさそうだ。

大穂 –「 “旅” のことに関して。これは、唯一押しつけがましくある自分の物語の核なんですけど、気持ちがいっぱいいっぱいになったり、違うなと思ったら、町や国、家族を捨ててもいいんだよと自分は思ってるんです。みんな町にとどまって何とかしようと思っているから、たいへんになっちゃう。小さい頃、引っ越しばかりしていて感じたのは、町が変わればルールが変わって、人間の距離感も変わる。すると、自分はなにも変わってないのに、いっぱいっぱい感が取れていることもある。一度きりの人生だから、 ふとみんな失踪しちゃってもいいんじゃないかなぁって思いつつ、失踪できないとしたら、せめて自分たちの音楽を聴いて、失踪してどっか埃っぽい町に移り住んだ疑似体験を味わってほしいという願望があるんです」

ガンジー –「それは、すごくロードムービーっぽくもある」

大穂 –「自分を変えようという努力もありだけど、町をでちゃうのも手かもしれない。自分はそのままなのに、環境が変わればポンと自分も変わっちゃう。自分たちの音楽を聴いたとき、そういうことを考えている人のステップになるような音楽にはしたいといつも思っています」

そうした変化は、なにも旅や移動だけではなく、日常からのちょっとした逸脱を手助けするものでもある。『永遠と一日』の構想をいちばん最初に大穂が抱いたのは、“ポンと背中を押してあげるようなアルバム” だったという。

大穂 –「普段は書かない自分の両親や友達に手紙を書いていて、ふと筆が止まったとき、かけられるような音楽にしたかった。伝えたい言葉を探しているとき、ガンジーさんのベースの音がしみこんできて、手紙のヒントになるような。もしくは、夕食を作っていて、あともう一品何にしようというときに隣の部屋から聞こえてくると、料理のヒントになるものとかね。もう、だいぶ両親と会ってないから、明日仕事は休んでふと会いに行ってみようかというような気持ちを、ちょっと後押しして上げられるようなアルバムであり、せめて聴いている間だけは、そうしたことをした気分になれるのが理想です」

>> CINEMA dub MONKS と「永遠と一日」〜物語をめぐる旅〜 [5] へ続く
インタビュー/文 : 岡田 KAYA 真由美


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