バルセロナに来る2ヶ月ほど前、ある経済紙が「スペイン経済危機!」と題する特集を組んでいた。どうやら経済崩壊の危機が迫っているという内容だったが、来てみるとそうは見えない。
考えてみるとよほどの不況でも無い限り旅行者の目に景気の悪さなど伝わらないのかもしれない。日本でも不況が長く続いているが日本を訪れた外国人の目にそう映るとは思えない。
バルセロナに長く住む友人に尋ねてみたところ、スペインは確かに不況らしく失業率は20%、数字だけ見ると大恐慌並である(もっともスペインの失業率については景気が悪くない時から15%ほどあって、どうして成り立っているのか元々謎だ)。だがやはりそんな風に見えない。まだ実際に経済崩壊した訳ではないし、崩壊しても意外に気づかないものなのかもしれない。
そもそも一国の経済が崩壊している状態を目撃した事などないので想像できない。日本のバブル崩壊には当然立ち会ったが、当時学生だった自分には直接被害はなく基本的に他人事であまり実感はないし(同期の友人は就職等でずいぶん振り回されていたが)、あくまでこれはバブルの崩壊で経済自体の崩壊とは違うと思われ、著しく街の雰囲気がおかしくなったとは思えない(沖縄に住んでいるので気付かなかったのかもしれないが)。
おかしな事になっていたのはむしろバブル中だ(これは沖縄でも感じた)などと考えていたところ、一つ気づいた事がある。店員が物を買った客に「ありがとう」と言っている、前は客のほうだけが「ありがとう」と言っていて、文化の違いを感じた覚えがある。
不況の影響かもしれない。
ガンジー西垣 [CINEMA dub MONKS]
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